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 移民ビザ(雇用を基にした永住権申請)
  1.多国籍企業の役員や管理職社員の永住権優先枠(EB−1)
  2.RIR ―スキルド・ワーカー枠(EB−3)
  3.PERM
  4.I−140とI−485の申請


1. 多国籍企業の役員や管理職社員の永住権優先枠(EB−1)


  a.概要

駐在員の永住権申請には、このEB−1カテゴリが適していることが多い。このカテゴリでの申請のもっとも有利な点は、外国人雇用資格認定書(次のスキルド・ワーカーの項で詳述)を取得する必要がないことである。このため、かなりの時間を節約することができ、最短 1年ほどでグリーンカードを取得することが可能となる。


  b.資格条件

多国籍企業の役員・管理職社員枠で申請するためには、アメリカへ赴任する直前からさかのぼった 3年間のうち最低でも1年間、永住権のスポンサーとなるアメリカの企業の親会社か子会社、あるいは関連会社にあたる日本の企業で役員職か管理職社員として勤務していたということが条件である。例えば、アメリカ駐在歴 10 年のEビザ駐在員でも、日本を離れる直前の 3 年間のうち、最低 1年日本の親会社で管理職社員として勤務していたという事実があればこの枠での永住権申請が可能となる。ただし、アメリカでの職務もまた管理職あるいは役員職でなければならない。


2.RIR ―スキルド・ワーカー枠(EB−3)

 スキルド・ワーカー枠(EB−3)での永住権の申請においてなにより大変なのは、労働局から外国人雇用資格認定書を取得することである。従来の方法であれば、このプロセスだけで 3年から4年の月日を費やすこ ともあった。幸い、数年前から労働局は迅速に手続きをすませることができるという画期的な申請方法を施行している。これが Reduction in Recruitment で、一般的にはRIRという略称のほうが知られている。 

企業のおこなったリクルート活動が十分であったかどうかを重点的に審査して、そのケースがRIRに該当するかどうかを判断するのが労働局の傾向である。通常は、雇用が予定されている地域で一般に広く読まれている新聞に 2 回程度と、インターネットに 1回の求人広告を掲載するだけで十分とされるが、労働局は申請に先立つ雇用者側の求人活動をたいへん重視する。もし労働局が、申請前の 6 カ月以内に企業が広告掲載のパターンを確立し、雇用が予定されている仕事に適した求人活動を真剣におこない、人材募集につとめたにもかかわらず、適当な人材がみつからなかったという事実を認めれば、RIRは認可される。労働局の法規では、申請する前の 6カ月以内に求人活動がおこなわれていなければならないとされているが、実際には2〜3カ月おこなっただけで認可されることもある。

労働局では、現在多くの職種についてアメリカで人手不足であることを認め、RIRでの申請を認可している。和食の調理師や寿司職人を含む外国料理のシェフや、ハイテク関係の多くの仕事もこの中に含まれ、RIRでの申請を認められている。機械系エンジニア、保険計理人、セラピスト、化学者、航空学エンジニアなどもアメリカで人材不足な職種として認められている。このほかにも、会計士、司書、エディタ、各種エンジニア、輸入業者、エコノミスト、グラフィックデザイナー、建築デザイナー、教師、実務アシスタント、日系旅行会社のトラベルエージェント、日系ベーカリーのパン職人等も、雇用者が十分な求人活動をおこなったことさえ証明できれば、RIRが認可されている。

たとえ人手不足の職種でなかったとしても、その業務に英語以外の外国語を必要とする場合は、RIRでの申請が可能である。たとえば、日本語の資料を読まなければならないリサーチャーや翻訳者、バイリンガル秘書等もこれに該当する。もちろん、アメリカ人の雇用を避けるために不必要に外国語の能力を資格条件に加えるようなことは許されず、雇用者はなぜ外国語が必須条件なのか、きちんと立証できなくてはならない。

一般に、申請の対象となる職種がはっきり人材不足だといえない場合、雇用主は少し多めに求人活動をおこない、なお適当な人材がアメリカ人の中から見つからなかったことを述べるのが賢明である。景気の後退による失業率の増加に加えて、2001年のテロ事件にともない、労働局が人材不足であるとする職種の再考をおこなうことは十分に考えられる。こういった状況をかんがみ、また従来の方法では外国人雇用許可証が認可されるのに4年近くかかることを考慮に入れれば、余分な求人活動を行うことはかえって賢明な判断だといえよう。


3. PERM

現在、場所によっては外国人雇用資格証明書の申請手続きがかなり遅延している。この問題を解決するために、米国労働局はPERM( Program of Electronic Review Management System の略称)を提案している。しかし、このプログラムにはいろいろな制限が設けられているため、かえって証明書の入手が難しくなる可能性もある。

法案の中には、その仕事をする上で最低限企業が必要としている条件も、労働局の基準に照らし合わせて適当でないと判断されたものは却下される可能性も含んでいる。 たとえば、日系企業が業務上日本語を必要とすると考えても、労働局が外国語の必要性を認めなければ、その条件は削除されることになり、資格に該当するアメリカ市民や永住者が見つかる可能性が高くなるため、結果として申請そのものが却下されることになりかねない。

PERMは1999年に初めて立案され2003年4月には実施される予定だったが、2004年10月まで延期となった。 一時は実施が全面的に中止となるという噂もたったが、今年度予算にPERM実施のための予算が認められたため、まもなく実現化の可能性が強い。


4. I−140とI−485の申請

  a.概要

RIRのような永住権申請の方法では、 労働局から外国人 雇用 資格認定書が 下りたら 、次 の ステップとして、移民局に永住ビザの 申請 書( I−140 )を提出 する 。この申請においては、 まず申請者自身がその認定書に求められている学歴・職務経験等の条件を満たしていることを実証しなくてはならない。学歴が求められる職業の場合は、大学からの卒業証明・成績証明書を提出する。職務経験が求められている職業の場合は、過去の雇用先からの雇用証明書を提出する必要がある。また基本的に、雇用者側は労働基準額(上記認定書で定められる)以上の給料を支払う能力がなくてはならない。申請者本人のW−2、企業のタックスリターン、企業の銀行残高証明、あるいは企業の経営状態を説明した公認会計士からのレターなどを提出して、企業にその能力があることを証明しなくてはならない。

以上の条件をクリアできれば、移民局は申請を認可する。移民局がI−140申請を認可したら、永住権申請も最終段階に入る。最終段階は@アメリカ国内ですべて終える方法と、A在日アメリカ大使館で面接を行う方法の2つの方法があり、個々の状況に合せてそのいずれかを選択することができる。在日アメリカ大使館で面接を行うほうが全体的に早く申請を終了することができるが、2002年7月31日から、移民局では前述のI−140を提出するとき同時に最終書類(I−485)も受け付ける方針を実施し、審理の迅速化を図っている。確かにこの方法だと、ほとんどの場合面接がないので、移民局での書類審査だけで永住ビザを取得することでができるが、2004年1月現在平均(これも地域によって違うが) 15 〜 17 ヶ月かかっている(在日大使館での申請だと約6ヶ月から8ヶ月)。またこの間、有効なHビザとLビザを持っている人以外は、一時渡航許可 ( Advance Parole )を得ない限り、一切国外へ出ることができなくなることに注意しよう。